安定の安心感
財布を探してると「日本製コードバンを使用」なんて言うフレーズが書かれてたりします。
メイドインジャパンのイメージがもたらす影響力は非常に高いので、つい日本製なら大丈夫だろうと言う感じになってしまいますよね。
確かに、問題ないのですが、もう少し、選ぶ時は、慎重になった方が良いかもしれません。
検討すべきポイントの前に、まず「日本製コードバン」とは?と言う話になりますが、そもそもコードバンは作ってる国が非常に少ないです。
私が知る限りでは、日本、アメリカ、イギリス、アルゼンチンになります。
さらに製造業者をカウントしてみると日本に2社あり、あとはそれぞれ1社のみになります。
この内、世界的に流通してるコードバンは、日本とアメリカのみとなりますので、この点を踏まえて考えてみると日本は、コードバンの主要な生産国になります。
革のダイヤモンドと称される希少はレザーの多くは、なんと日本で生産されているわけです。
非常に誇らしく思います。
ここで、改めて「日本製コードバン」と言うフレーズを考えてみると、ちょっと面白くなります。
日本は、メインの生産国になりますので、実際のところ、ほぼ日本製しかないのですが、あえて「日本製」と付け加えてるわけですね。^^;
つまり、イメージとしては、日本でおにぎりを売る時、日本の白米を使用と言ってるような感じです。例えが変かな・・・。^^;
革だけの世界の話で一般的にコードバンの背景も知られてるわけではないので、受けが良いイメージの「メイドインジャパン」を使いたいという気持ちはわかりますが、よくよく調べてみるとごく当たり前の事を言ってるだけで、むしろ他の国のコードバンがあるなる是非見せてという感じなんです。ww
財布は全般的に外国製が多いので、あえて素材は、日本製だぞと強調したい気持ちもあるのかもしれませんがね。^^;
そんなわけで「日本製コードバン」は、便利な宣伝文句で、重要なのは、ここからです。
日本でコードバンを製造してるところは、先ほど申した通り2社あります。
「新喜皮革社」、「宮内産業」
さらに、フィニッシャーと呼ばれていますが、染色を行うところが私の知る限り1社あります。
「レーデルオガワ」
※コードバンの仕入れは新喜皮革社からのようです。
いずれも長年のキャリアがあり高度な技術に疑いの余地はありませんので、ポイントとなるのは、そのコードバンの仕上げ方です。
例えば、新喜皮革社は、染料や顔料の両方の扱いがあり、染料系では、オイルコードバンや、オイルグレージング仕上げなどがあります。
採用してるブランドは、ココマイスター など。
宮内産業は、染料も扱いますが、顔料仕上げが得意と聞きます。
レーデルオガワは独自技術のアニリン染め(水染め)仕上げが有名です。
通常の水染めは、革の芯まで染まりますが、こちらのアニリン染めは表面(片面)のみが水染めされ、表面模様が良く見える透明感ある仕上がりになります。
染料と革の表面の絶妙なバランスの良さで非常に美しいコードバンとして評価が高いです。
採用してるブランドは、ゾンネ、キプリス 、ガンゾ、ユハク 、 エルゴポック など。
こんな感じで、「日本製コードバン」と言えど、色々あると言うことですね。
仕上げの違いだけでかなり風合いは変わりますので、「日本製」だけで安心しないよう出来ることならしっかり仕上げも確認すると良いかと思います。^^
場合によっては、特注だったり製造業者は内緒と言うブランドあるかもしれませんが、染料か顔料かは教えてくれると思います。
※顔料・染料を分りやすくまとめています。
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